第57回検定【2024年8月25日(日) ~9月8日(日)】
CBT=Computer Based Testing
2017年1月、世界遺産マンは「世界遺産検定1級」に認定されました。それは遠い昔の物語…
この記事が、これから「世界遺産検定」に挑戦する方の参考になれば、世界遺産マン冥利に尽きます。
経験談とポイントを書いていますが、世界遺産の数も増え、試験形式も年々変わっていくので、あくまで当時の個人的な情報です。
「世界遺産検定1級」の取得についての内容です。
世界遺産や、海外情報、歴史などに全く興味がない人は挫折するので、他のことをやった方がいいです。
「好きこそものの上手なれ!」
好きな人は挑戦してみましょう。楽しくなかったらやめて、別のことをしましょう。それが人生。
世界遺産検定受験への道
検定に向けての受験勉強は、全て独学でした。独学でOK牧場。
3~1級取得に向けてやったことを、簡単にまとめると…
・公式テキストを読む。重要な所は書いて暗記。
・過去問を解く。間違いは確実に覚えなおす。
・マンガ世界の歴史がわかる本を読む。
・TBSの世界遺産を録画して繰り返し見る。
1級検定は2016年の12月、受験後これは落ちたな…と思っていましたが、なんとか合格!
そして「世界遺産マン」として、各地を訪問中であります。
2020~22年はコロナの影響でステイホーム!
世界遺産は、1978年に「12件」からスタートし、毎年増え続けています。
2024年現在、世界遺産は1223件となり、最初の100倍超に!
新規に増えたところはほとんどわからないので、常に学び続けなければいけません。
世界遺産マンとして…
「世界遺産」に興味があれば、知る最初のステップとして、この検定を受けることをおすすめします。
本を読むだけでもいいのですが、検定合格という具体的な目標設定があった方が、より頭に入ります。
「世界遺産検定」3級から挑戦
今は4級もありますが、大学生、社会人は3級からスタートでいいと思います。
※3級を徹底的にやっておくと、2級、1級の試験が楽になります。
全問マークシートなので、傾向と対策をつかめば、クリアできます。
3級検定の時の勉強期間は、約2ヶ月でした。範囲が100件なので、1日1~2件の世界遺産をノートにまとめていました。
最後の方は間に合わなかったので、数件まとめて書いたりし、試験前3日間は過去問を解いて間違いをチェックしました。
3級検定の実際の点数は、100点中88点。満点は無理でしたが、合格!
そして世界史…これも重要です。
大まかな世界史については、漫画でカバー。(1、2級時)
「マンガ世界の歴史がわかる本」の3冊で十分でした。
いろいろ読むよりも、シンプルでわかりやすいものを何度も読んで覚える方がいいです。
英会話などの勉強法も今はそうしています。
Simple is best !
2級ー過去問を解くのが近道
2級検定の時は、いろいろと重なり多忙だったため、直前1ヶ月で何とかしました。
3級同様に1日10件の世界遺産をノートにまとめていましたが、効率が悪く時間の無駄と判断して中止。
その後は、ひたすら過去問を解くのに切り替えました。
3年分の過去問を揃えて、解いては間違いチェックを繰り返しました。
3級検定の時よりも勉強時間は短かったのですが、3級をきっちりやっていたので、重複している箇所に時間をかける必要がなく、2級検定も100点中88点でクリア。
1級の時もそうでしたが、「過去問を解く」が、自分にとっては最も効率的だったと思います。
世界遺産が何箇所あるか知らなくても、0から学べばいいだけです。
私も2014年まで世界遺産の存在すら知りませんでした。…本当です
実際の検定で感じたポイントは、下で解説しています。Let’s try !
なお、世界遺産検定1級の最年少合格者は8歳!(2021年時)そして、マイスターの最年少合格者は、山本・リシャール登眞の11歳。
「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターになっています。
1級を取得した後は、「勉強」というより、実際にその場所に行き、時間をかけて少しずつ体験中。
検定を受験したのは、資格が欲しいというより、世界遺産というものを知るために…それが旅のスタートだった、ということです。
2018年に海外留学している時、日本人留学生も世界遺産検定のことを結構知っていたので、検定の知名度は上がっています。
※日本独自の検定のため、世界基準ではありません。
しかし、個人的には英検やTOEICで高得点を取るほうが、はるかに難しいと思います。
世界遺産検定は日本語なので、暗記すればいいのです。
もちろん、「1級」になると範囲も世界中全ての世界遺産になるので、膨大です。
ですが、「過去問」をやっているとよく出るところと全くでないところが、ある程度わかってきます。
世界遺産は1000件以上ありますが、1級取得時にある程度知っていたのは、たぶん200件くらいだと思います。
合格だけならそれでもできます。
要はポイントを押さえることが大事ではないのでしょうか?
世界遺産検定のポイント
ポイントの前に最も大事なことは、興味があるのは当然として、「絶対に合格するという強い気持ち」です。
ロサンゼルスにいた頃のグレイシー柔術の先生であるヒクソン・グレイシーも言ってましたが、
“Mind is important.”
これがないとまず勉強が続きません。
受験料も安くはないので、一発合格を目指しましょう。
検定出題の傾向
★ファースト世界遺産=世界最初の世界遺産12件(1978年認定)についての問題はよく出ます。(2級でも出るので要チェックです)
世界遺産、全部行ったら海賊王! 「ファースト世界遺産」…私が勝手に呼んでいるだけですが、「世界遺産第一号」、つまり世界で…
★「世界遺産委員会の開催場所」も要チェックです。
過去5年分程を覚えておくといいと思います。
2016年、トルコのイスタンブール(クーデター未遂事件あり)
2017年、ポーランドのクラクフ(ファースト世界遺産)
2018年、バーレーンのマナーマ(中東)
2019年、アゼルバイジャンのバクー(イランの北)
2020年、中国の福州市→新型コロナで延期
2021年、オンライン会議 中国の福州
2022年、ロシア→ウクライナ侵攻で延期(その後ロシア辞退)
2023年、サウジアラビアのリヤド
最重要ポイントを最優先に!
検定3~1級に共通している最重要ポイントは、「世界遺産の基礎知識」「日本の世界遺産」です。
ここは重点的に細かく正確に覚えるべきです。
ここだけで点数の45%を占めています!
ただし、3級のテキストで完璧に覚えても、1級のテキストは、同じ項目でもさらに情報が細かく、はるかにページ数も多くなります。
1級受験者は「1級の公式テキスト(世界遺産大事典)」で学習しなければ意味がありません。
日本の世界遺産は25件 2024年現在、 日本には、文化遺産20件、自然遺産5件、合計25件の世界遺産があります。 これ…
1級検定合格への道
2016年12月の1級検定(世界遺産マンの検定結果)
1級の合格率は、約20%です。
通常の認定点(合格ライン)は7割の140点ですが、この時は難易度が高く平均点が低かったため、認定点が128点に引き下げられています。
そのため私の点数135点は通常は不合格ですが、この時は認定点を上回っているので合格となりました。
2級と3級は、どちらも90%近くの点を取っていたので問題なく合格。
全3回の検定で、最も時間をかけて勉強できたのは3級の時でした。
1級検定の勉強時間は実質1ヶ月程しかなく、2級の時と同じく公式テキストを読み込む時間がありませんでした。
過去問3年分を購入してひたすら解き、間違えた部分を覚える、といったことを繰り返していました。
そもそも1000件以上の世界遺産全てを覚えることなど、超天才でない限り膨大な時間がかかります。
公式テキストをただ読むだけでも時間がかかります。
公式テキストをひたすら読む!というアドバイスをしている方もいます。
その方にはそれが良かったのかもしれませんが、効率は悪いと思います。ただ…
いつでも読めるように公式テキストを持ち歩くのは、受験者としては重要!
この過去問3年分の検定の結果(自己採点)は、全て140点以下(最高は136点)だったので、事実上不合格でした。
最初に過去問に挑戦した時は、80点くらいしか取れなかったので、相当焦りました。
本番ではなんとか合格しましたが、マークシートなのでわからなかった問題がたまたま当たっていたというのもあるかもしれません。それはそれで運がいい。
つまり1級は保持していますが、まだまだ限りなく下のレベルです。
ただ資格を何かに使うよりもこれから行く場所のリサーチと捉えているので、実際に行くほうを重視しています。
詳しくは世界遺産検定公式サイトで
日本の世界遺産も大体出るところは決まっているようです。
最近の検定はネタ切れなのか、重箱の隅をつついたような問題も出ます。
知らなくてもいいことは無理して覚える必要はないし、世界遺産マニアになりたいわけではないのです。
★1級検定は、世界遺産になっていない申請中のもの(日本の暫定リスト)も出ます。
これも公式テキストに載っているので、覚えればいいだけです。
また、検定の直前の年に「★新たに認定された世界遺産」などもよく出ます。
これに関しては、公式テキストに載っていないので、Webで調べてチェックしていました。
毎年20箇所前後増えているので、全部把握するのは大変です。
特徴のある「★トランスバウンダリー・サイト」や「★危機遺産」があれば、優先して知っておくといいでしょう。
※トランスバウンダリー・サイト(国境をまたいだ世界遺産)
「ル・コルビュジエの建築作品」のように、一つの国だけでなく、他の国々とも共有している世界遺産群のことです。
世界三大建築家の一人「ル・コルビジュエ」の作品群は、2016年に世界初の「トランス・コンチネンタル・サイト」として認定さ…
なお、これも重要です。
★シリアル・ノミネーション・サイト(連続性のある世界遺産)
「明治日本の産業革命遺産」のように同一の歴史・文化群に属する複数の遺産群のことです。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」もそうです。
これを他国と共有→「トランスバウンダリー・サイト」
大陸を超える→「トランス・コンチネンタル・サイト」
というわけです。
…だんだんややこしくなってきました。
世界遺産、全部行ったら海賊王! 「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」(Sites of Japan’s…
1級は「登録基準」の理解が必要
個人的に1級検定と2級検定で大きく違うと感じたのは、1級では、「登録基準」に関する知識が必要です。
覚えるのは大変ですが、これはかなり重要です。
世界遺産大事典(上)の27ページ目にあります。
これを知っておかないと答えられない問題が、1級検定では出ます。
これも過去問をやっていて気付いた傾向です。
1~6が文化遺産について、7~10が自然遺産についてです。覚え方は人それぞれだと思います。
この登録基準を正確に覚えれば、これに関する問題は、どの世界遺産が出ても答えはわかります。
「登録基準(1)人類の創造的資質を示す傑作」だと、世界的に有名な文化遺産の多くがこの基準を満たしています。
日本の世界遺産で言えば、「法隆寺」「姫路城」「厳島神社」「日光の社寺」で認められています。いずれも訪問済みですが、すばらしい建造物でした。
なお、2016年1月現在、この登録基準(1)のみで登録されているのは、
「タージ・マハル」(インド)
「シドニーのオペラハウス」(オーストラリア)
「プレア・ヴィヒア」(カンボジア)
の3つだけしかないようです。下2つは訪問しました。
さらに1級検定の勉強していて感じたのは、文化遺産においては、かなり「宗教」が密接に関わっています。
ヨーロッパ・中東ではキリスト教・イスラム教の歴史、支配地域、対立構図や、アジアでは仏教・ヒンズー教、さらにはユダヤ教やゾロアスター教などなど。
また、年月を経て国家も様々に移り変わっていきます。ずっと同じ国のままなのは、日本と他に数えるほどではないでしょうか?
まだまだ危険な国や地域も多数ありますが、以前よりはるかに海外に行きやすい時代が来ています。
スマホ一つで5分もかからず航空券もホテルの予約も簡単にできるのです。
海外旅行が好きな人にはいい時代になっています。そのまま世界遺産に興味を持つことも自然な流れです。
とは言っても、全く興味のない人が無理して勉強してもまず頭に入らないし、仮に合格してもただの資格です。ほとんど役に立つことはありません。
「好きこそものの上手なれ」、結局はそれが一番大事なことだと思います。
※世界遺産大事典(上)より
★世界最初の世界遺産12件(1978年認定)
★日本最初の世界遺産4件(1993年認定)
★日本の暫定リスト登録物件
★登録基準
※Webでチェック
★世界遺産委員会の開催場所(過去3~5年分)
★新たに認定された世界遺産
※「世界遺産の基礎知識」「日本の世界遺産」は3~1級共通で最重要
この2冊に2019年登録分までの全ての世界遺産が載っています。
それ以降のものは、別途Webなどで調べる必要があります。
情報は常に同じではなく、刻一刻と変わっています。
もちろんこれ以外にも出ますが、範囲が膨大なために、まず優先して学ぶべき箇所をまとめました。
※2016年12月の検定試験を受けて合格したため、2017年以降の試験は受けておりませんし、過去問も解いておりません。
最新情報や直近の傾向などは自分でチェックして下さい。
1級検定の合格率は、約20%
1級合格を目指している方は、3級、2級と確実に基礎を抑えて学習範囲を拡大させていけば、大丈夫だと思いますが、1級の難易度は2級よりもはるかに高いです。
他の試験や語学学習にも言えますが、短期集中で一気にやることをおすすめします。
合格率が20%ということは、毎回80%の受験者が不合格なのです。
だらだらやって、いつか受かるだろうとかいうのはないです。
検定自体は、極端に難易度が高いとは思えませんが、誰でも簡単に合格できるものでもありません。
結局…
世界遺産検定1級認定を受けれるかどうかは、あなた次第です!
世界遺産検定マイスター
世界遺産検定1級の上には、「マイスター」があります。
これは100件制覇したら受ける予定。
マイスター試験は、マークシートではなく論文形式なのでより難解です。
ですが、合格率は高く、必要なのは過去問のシュミレーションと文章構成力だと思います。
マイスター試験の概要
論述形式で、3題120分の試験です。認定基準は非公開。受検者の3~5割が合格。
年に2回(7月、12月)実施されており、受検後約1ヶ月で結果を確認できます。
さて、本を読むのが苦手な人や、よりビジュアルで理解したい人には、Youtubeなどもいいのですが、
TBSの「世界遺産」「世界ふしぎ発見!」がおすすめ!
非常にいい番組です。海賊王になる前に、「ミステリーハンター」になる!!
見ていたら間違いなく行きたくなります。そして実際に行くのです!
迷わず受けよ 受ければわかるさ 世界遺産検定