世界遺産 全部行ったら 海賊王!

世界遺産41 「サンボープレイクック」 Sambor Prei Kuk

カンボジアの世界遺産 「サンボープレイクック」 は、アンコール王朝より数百年前に起こった古代国家「真臘(しんろう)」の遺跡です。

「森の寺院」とも称されるレンガ造りの多数の遺跡が、数々の貴重なレリーフと共に、今も森の中にひっそりと佇み、時を止めたままです。

世界遺産、全部行ったら海賊王!

サンボープレイクック(Sambor Prei Kuk)
2017年登録

サンボープレイクック遺跡群は、東西6km、南北4km以上の広範囲に60基のレンガ塔が現存しています。

全部行くのは無理なので、主要伽藍と言われる下の3箇所に絞って行ってきました。

1.プラサット・サンボー(Nグループ)
2.プラサット・タオ(Cグループ)
3.プラサット・イェイ・ポアン(Sグループ)

2019年7月3日

サンボープレイクックへ

カンボジア滞在3日目は、3つ目の世界遺産「サンボープレイクック」へ。これで3件全制覇です。今後新たに世界遺産が増えれば…その時はその時で。

前日の「プレアヴィヒア」の時と同じいかついドライバーが、朝6時にレクサスで到着。この日も張り切っています。

サンボーだけではもったいないので、その後どこに行くか、前日にゲストハウスのオーナーと相談…

個人的には大プリア・カンベン・メリアの2つに行きたかったのですが、時間的に無理だと言われ、ベン・メリアだけ勧められました。

タクシー代は初日にすでに90$払ってましたが、それはサンボーだけの話なので、ベン・メリアが増えるなら追加が50$いると言われました。

持ち合わせが50$ちょっとしかなかったので、朝行く途中にATMでお金をおろすことにしました…が、

なぜか全く引き出せません…なんでやねん!

他のATMにも連れて行ってもらい3箇所で試しましたが、全部ダメ…これは困った…初日はちゃんと引き出せたので、カードが悪いとは思えません。

しかし、ゲストハウスにタイのお金を4000バーツ置いていたので、それを取りに帰り両替所で両替。これで130$になりました。持っててよかった、キャッシュ!

ATM いつも出金できるとは 限らない…

換金に時間をくい、結局6:30頃に出発。この日は朝からずっと雨でした。

かなり雨がひどかったので、これはサンボー・プレイ・クック、見に行けるか?と思いましたが、8時頃には雨もあがりました。

8:20頃、湖みたいな所を通過。有名なカンボジアのトンレサップ湖か?と思いましたが、もっとはるかに大きいから違うなと…

水辺付近の家は、高床式の作りのものが全体的に多く見られました。

8:25 「コンポントム」という町の近くに到着、北上するとまもなく世界遺産「サンボープレイクック」です。今日も車なので、やはり楽だ…

その後、「サンボープレイクック」の大看板をすぎ、いよいよ近づいてきました。

8:45 チケットセンターに到着。ここでトイレを借りたら、500リエルでした。朝の雨で地面は水浸し…土なので靴がいぼる!

※「いぼる」福岡の方言です。わからない人は、Googleでチェック!

さて、チケットですが、地球の歩き方では「3$」でした。しかし、実際は「10$」でした。一気に値上げしすぎだろう。まあ、いいや。この金を遺跡保存に役立てて下さいや。

「サンボープレイクック」の チケットは、10$!(2019年)

チケットセンター近くで朝飯をいただきました。ドライバーが何か魚を選んでくれと言うので、鯛みたいな奴を2尾買って、一緒に食べます。

カンボジアで食べたアリ飯
結構がっつりな朝飯

レストランはどこも観光地化されていて、観光客向けにありきたりの料理を高額で提供するので、こういった現地人の食事をしてみたかったのです。

カンボジアで食べたアリ飯
これをご飯と魚にかけて一緒に食べるわけだが…

さて、この黒と白のよくわからないものを、ご飯と魚にかけて食べるわけですが、カンボジアの魚醤に付け込まれていて、ピリ辛で酸味のある独特な味が結構おいしい…

何口か食べてふとスプーンに目をやり…待てよ、まさかこの黒っぽいのは…

カンボジアで食べたアリ飯
アリ(蟻)…クメール語で「クロン」

アリ…!?

ドライバーに、「アント(蟻)か?」と聞くと、そうだよの返事…

知らずに何口も食べていたわけです。まあ、知らぬが仏、知ったところでアリは中国では漢方薬なので、マイペンライだな。

マイペンライは、タイ語だったか…

カンボジアで食べたアリ飯と蜂
蜂も入ってました

よく見ると蜂も入っているし、何か幼虫みたいなものもいます。…しかし、うまかったので、完食!チガィン!

カンボジアで人生初のアリ喰いデビュー!

アリを食べながら、その辺を歩いているアリを指差してクロン、クロンというと、ドライバーが、そいつはダメだ、食えねえと。

食べたアリは赤っぽい色、歩いているやつは黒でした。この時、ドライバーに「おいしい=チガィン」も習いました。

こんにちは=スーズダイ
ありがとう=オークン
おいしい=チガィン

これだけ知ってれば十分です。コミュニケーションは取れます。

そして朝食も済ませ、サンボープレイクック中心部へやってきました。シェムリアップから車で約2時間半。カンボジア3つ目の世界遺産です。

2.プラサット・タオ(Cグループ)

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk
まずやってきたのは、2.のプラサット・タオ(Cグループ)

9:30 遺跡巡りのスタートです。地球の歩き方には、ガイドを雇うべしと書いてますが、ガイドがいません。

そして、なぜか警官が一緒に写真を撮ろうと来たので、一緒に撮影。まだマスクは着けていないのだが…

雨は降らず、気温も25℃と快適でした。ただ、蚊は多いので、長袖か虫除けスプレーは必須です。

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・タオ
プラサット・タオ
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・タオ
このライオン像はきれいに残っています

 プラサット・タオの見どころはこれだけです。しばらく付近をうろうろしたり、中に入ったりした後、次の遺跡へ。

ここでiPhoneの方位磁針が役に立ちました。

電波は届かず、GoogleMapも使えませんでした。方向音痴マンには、方位磁針だけが頼りです。頼むぞ、コンパス。

ところどころ、標識もあるので、それ通りに行けばあまり迷うことはないと思います。さらにコンパスを使い、迷わずに次のSグループへ無事到着。

3.プラサット・イェイ・ポアン(Sグループ)

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
プラサット・イェイ・ポアン(Sグループ)
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
プラサット・イェイ・ポアン 入口
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
これがおそらくメインの塔…まさに森の寺院

中央付近にメインの塔らしいのがあり、その周りに7つの塔がありました。そのうちの一つは木とほぼ合体しているような状態で、修復中でした。

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
これはだいぶ壊れています
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
大部分の修理が必要
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
八角形の塔はアンコール遺跡には見られないらしい
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
右はほぼ崩壊してます
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
左は木にしか見えませんが、塔と木です。
右はかなり状態がよく、彫刻も細かい。
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・イェイ・ポアン
外壁のレリーフはまだ何か解明されてないようです。

さて、この「サンボープレイクック」も地球の歩き方の解説にお世話になりました。その中にこんな文章が…

プラサット・イェイ・ポアン」の西約500mの所にある「トロペアン・ロペアック」という小さな遺跡群は、訪れる人も少なく神秘的な雰囲気。時間にゆとりがあれば足を延ばしたい。

で、あるか。残り1000以上ある世界遺産、「アンコール・ワット」にはまた来ても、ここにはもう来ない可能性の方が高いので、迷わず行きました。

おまけ.トロペアン・ロペアック

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk トロペアン・ロペアック
近いし、行った方が面白い
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk トロペアン・ロペアック
このレリーフ…これは空飛ぶ宮殿では??
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk トロペアン・ロペアック
これが見もの!まさに宿り木です。
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk トロペアン・ロペアック
後ろ側…いやはやとにかくすばらしい

そして、最後に残ったのが、 「プラサット・サンボー」「サンボー・プレイ・クック」「サンボー」です。

1.プラサット・サンボー(Nグループ)

1.が最後というのも変な話ですが、この近くが駐車場なので、最後にしました。

メインディッシュは最後まで取っておくものだ。ここが終われば、すぐ帰れます。

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー
中国人団体客の観光バスが…

前日行った世界遺産「プレアヴィヒア」と違って山ではないので、昼近くには団体バスも結構来はじめました。あちこちで中国語が聞こえる…

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー 
プラサット・サンボー入口
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー
プラサット・サンボーのメイン建物
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー
ここが世界遺産「サンボー・プレイ・クック」じゃい
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー
これが噂の「空飛ぶ宮殿」のレリーフ
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー
空、飛べるのか?
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk
基本的に造りは皆同じようです。
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー
ここには「ドゥルガー」さんが祀られています

「ドゥルガー」は、実はインド神話最強クラスの女神で、デーヴァ神族の敵であるアスラ(阿修羅)を殲滅させています。

別に戦いの女神で「カーリー」というのもいますが、カーリーの生みの親、または化身のようです。諸説あるので、詳しくはwebで…

そして、この「空飛ぶ宮殿」というのは、地球の歩き方には詳細は載ってませんが、おそらくインド神話に登場する神々の飛空艇兼古代兵器「ヴィマーナ」のことを指していると思います。

いつか忘れましたが、だいぶ前にインド神話系の研究をしている時に、このヴィマーナ(ヴィマナ)のことを知りました。「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」にも出てきます。

「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」 については

世界遺産マン道【 The Way of the World Heritage Man 】

19世紀中頃、フランス人の博物学者「アンリ・ムオ」が、ジャングルの奥地で発見した遺跡が、数百年以上も密林の中に放置された…

その設計図が、確か「ヴァイマニカ・シャストラ」という文献で、数千年前に存在していたようです。

こうしてすでに7世紀の建物のレリーフになっているということは、その存在の信ぴょう性も少しは高くなった気がします。

ヴィマーナの兵器は、核兵器ではないかという論争もあり、その答えの鍵は、同じ世界遺産であるインダス文明最大の遺跡「モヘンジョ・ダロ」(パキスタン)にあります。

信じるか信じないかは、あなた次第…

話を「サンボープレイクック」に戻す!

ついでなので、プラサット・サンボーの道を挟んだ向かいにも行ってみました。

おまけ2です。

サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・サンボー
唯一レンガじゃない
サンボー・プレイ・クック Sambor Prei kuk プラサット・チュレイ
プラサット・チュレイ…ほとんど木だな

サンボー・クエストは、12時に終了。歩行距離はちょうど7kmでした。

途中から中国人の団体バスが来て、人がだいぶ増えましたが、最初はほとんど誰もいませんでした。「プレアヴィヒア」よりは来やすいので、今後観光客は増えるでしょう。

さて、このまま帰ったらもったいないので、この日も帰り道に別の遺跡へ。今回は追加を50$払って「ベン・メリア」へ向かいました。

迷わず行けよ、行けばわかるさ、カンボジア

ベン・メリア

to be continued…