世界遺産ローマの歴史地区7つのスポットのうち、ここでは3つを紹介。「フォーリ・インペリアーリ」「パンテオン」「カラカラ浴場」。いずれも壮大な歴史的建造物です。
これ以外にも、ローマには凄い建造物が無数にありますが、まずは「世界遺産」を押さえておきましょう。世界遺産マンだし…
世界遺産、全部行ったら海賊王!
2018年12月16~30日
1.コロッセオ
2.コンスタンティヌスの凱旋門
3.フォロ・ロマーノ
4.フォーリ・インペリアーリ
5.パンテオン
6.カラカラ浴場
7.アウレリアヌスの城壁
1~3についてはこちら
2019年現在、数ある世界遺産の中でも、ダントツの存在感を誇るイタリアの首都「ローマ」。 半月の間、ローマに滞在し、ロー…
4.フォーリ・インペリアーリ(Fori Imperiali)
フォーリはフォロの複数形と思われます。「フォーリ・インペリアーリ」は「諸皇帝のフォロ」で、フォーリ・インペリアーリ通りの横に立ち並んでいます。
「カエサルのフォロ」「トラヤヌスのフォロ」「トラヤヌスの記念柱」「アウグストゥスのフォロ」「ネルヴァのフォロ」がありますが、中に入ることはできません。
「トラヤヌスのマーケット」と「フォーリ・インペリアーリ博物館」は有料で入れます。
カエサルのフォロは、紀元前54~46年にかけて建造された、列柱で囲まれたフォロです。
人口増加によりフォロ・ロマーノが手狭になったため、カエサルがフォロを造ったのが、フォーリ・インペリアーリの始まり。
古代ローマで最も有名な皇帝(終身独裁官)である「ガイウス・ユリウス・カエサル」、英語読みは「ジュリアス・シーザー」。※シーザーサラダとは関係ありません。
トラヤヌスのフォロは、2世紀の始めに、宮廷建築家「アポロドーロ・ディ・ダマスコ」によって建造された広場。「トラヤヌスのマーケット」も同じ建築家の作。
トラヤヌスは、五賢帝の一人で、優れたローマ皇帝だったとされています。2度のダキア戦争に勝利するなどし、ローマ帝国史上最大の領土を有していたようです。
大叔父カエサルの養子となり、カエサル暗殺後は後継者として多くの敵を倒し、共和制を帝政に変えた「初代ローマ皇帝」がアウグストゥスです。
元々の名前は「オクタウィウス」で、アウグストゥス(尊厳者)は称号です。
ネルヴァのフォロ…は、どれかよくわからなかったので、看板を掲載。
113年に建造の高さ40mの記念柱。破壊されていないのが奇跡です。117年にトラヤヌスが亡くなるとここに葬られたので、墓でもあります。
ダキア遠征(ルーマニア・トランシルヴァニア地方)の場面が彫られているようですが、よくわかりません。
フィリピン武術で使う短剣を「ダガー」と言いますが、「古代ローマ帝国」の強敵だったこの「ダキア人」が名前のルーツのようです。
「ダガー」という名称は、現代では短剣類の総称として使われているようです。
勉強になります…
2世紀初めに造られた「トラヤヌスの市場」は11.5€で中に入れます。
この「市場(mercati)」とフリマアプリ「メルカリ(mercari)※ラテン語」は、かなり似てますが、語源は同じなのでしょう。
クリスマス後に行ったので、営業時間が変更しています。
建物そのものも世界遺産です。荷物を預けて見学へ。発掘品が大量に展示されていますが、紀元前や112年のものばかりでした。112年は、トラヤヌスの時代です。
最上階にも展示室がありました。じっくり見ると2時間くらいはかかります。
2000年前の壺…その発見の歴史なども映像で見れます。
イタリア語なので、わかりませんが、この人達が何だ、この汚い壺は?と思って破壊しなかったからこそ、今こうして見れるのだ!と言っているようないないような…
この巨大石も何かの発掘品かと思ったら、芸術作品でした。しかも日本人…イタリア在住の「安田侃」氏の作品です。
外にある「アウグストゥスのフォロ」の残骸が、博物館内にもマーケット内にも、多数展示されています。
予定よりもだいぶ遅く行くことになった「フォーリ・インペリアーリ」は、ほとんどが外から見るだけです。
有料で入れる「トラヤヌスのマーケット」も外から見ることができます。
しかし、より深く知るには、有料の博物館とマーケットに行った方がいいのは言うまでもありません。
入場者もそんなに多くなかったので、ゆっくり見ることができました。
5.パンテオン(Pantheon)
現存するローマ建築の最も完全な遺構、そして世界最大の石造建築です。
パンテオンとは「すべての神々の」という意味で、まさに圧倒的迫力の神々への捧げ物であります。
紀元前27年に「アグリッパ」が建て、その後消失したため、118年に「ハドリアヌス帝」が再建。
ハドリアヌス帝と言えば…ティヴォリにある「ハドリアヌス帝の別荘」も世界遺産です。
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アグリッパは、初代皇帝「アウグストゥス」の盟友にして腹心で、のちに娘婿となる人です。世界遺産の水道橋「ポン・デュ・ガール( フランス)」も造っています。
ということは、訪問年の2018年は、ちょうど
再建1900周年!
ということです。おめでとうございます!
1900年前からこんなでかいものが存在していたのか…やはりローマ帝国恐るべし…
これが内部です。1900年前の建物だというだけですごいのですが、内部も圧倒的な存在感です。これでも入場は無料!
当時の建築技術がとにかく凄まじい…どうやって作ったのか?頭の中はそればかりです。パンテオン恐るべし…
天井を見上げるとこんな感じです。丸く光っている部分「オクルス(oculus)※ラテン語で目」は、空洞です。
直径が9mもあるようですが、全然わかりませんでした。この日は小雨だったので、雨粒が落ちてきて、ようやく空洞と気づきました。
この本殿のクーポラは、直径も高さも43.3mでサン・ピエトロ大聖堂をしのぐ巨大さです。
あの大天才ミケランジェロが「天使の設計」と称えたそうです。
建物は単独なので、中をじっくり見てもそんなに時間はかかりません。かつては神々が祀られた場所ですが、今は国家的な功労者を祀る場となっています。
ラファエロの墓や、イタリア統一初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓もあります。
6.カラカラ浴場(Terme di Caracalla)
カラカラ帝によって、212~217年に造られた巨大公衆浴場跡で、当時は劇場、アスレチック施設、図書館なども併設した、今で言う「スーパー銭湯」みたいなものだったようです。
カラカラ帝…本名は「ルキウス・セプティミウス・バッシアヌス」といい、セウェルス朝の初代君主「セプティミウス・セウェルス」の長男です。
「カラカラ」とは愛用のファッションの名前のようです。
かなりの暴君だったようで、自身の暴政に対する民衆の不満をごまかすために、カラカラ浴場を作ったとも言われています。悪い奴だな。詳しくはwebで…
コロッセオから1km以内なので、歩いてこれます。
最初、間違えて隣にある「カラカラ競技場」に入ってしまいましたが、どう見ても競技者じゃないので、係員が気付いて教えてくれました。Good Job!
超快晴!暑そうに見えますが、真冬の12月なので、気温は10℃前後。夏はここで野外オペラがあるようです。
外観をずっと撮影し、中に入れる場所を探すも不明…
帰ろうかと出口に向かっていたところ、中に入れるところを発見!単に気付かなかっただけか…
メイン建物の中には、3つの浴槽と大ホール、その両脇にはアスレチック施設や更衣室があったようです。
そして毎日ギリシャ彫刻のような超マッチョなローマ人達が、筋トレに励んでいたわけです。ローマは筋肉にして成る!
夜のコロッセオに掲げられていたこの看板の男が、暴君カラカラ帝のようです。写真のモデル「カラカラ帝胸像」は、ナポリ美術館に所蔵。
誰かに似ているな…ああ、あいつか…あいつだ、間違いない!
これで6つが終了です。「ローマの歴史地区」最後の1つが「アウレリアヌスの城壁」です。
ローマ滞在時、最後に残った世界遺産「アウレリアヌスの城壁」は、1世紀後半に、ローマ皇帝「アウレリアヌス」と「プロブス」時…
迷わず行けよ、行けばわかるさ、世界遺産