2017年7月、「第41回世界遺産委員会」で、福岡県の『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界遺産に登録決定!国内21件目の世界遺産です。
世界遺産、全部行ったら海賊王!
『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群(Sacred island of Okinoshima)
2017年登録
2018年8月20日
『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群への旅
宗像・沖ノ島と関連遺産群は、4~9世紀に航海の安全を祈る古代祭祀が行われた関連遺産8件の国指定遺跡です。
- 沖ノ島(おきのしま)※入島禁止
- 小屋島(こやじま)※海中の岩
- 御門柱(みかどばしら)※海中の岩
- 天狗岩(てんぐいわ)※海中の岩
- 沖津宮遥拝所(おきつみやようはいじょ)
- 中津宮(なかつみや)
- 辺津宮(へつのみや)
- 新原・奴山古墳群(しんばる・ぬやまこふんぐん)
沖ノ島がなぜ凄いかと言うと、出土品、約8万点が全て国宝に指定され、島全体が御神体とされ、今も一般の立ち入りを制限している国内屈指の秘境だからです。
この国宝の一部が、九州国立博物館に展示されていた時、見に行きました。あの時代に純金の指輪があるとは…
位置はGoogle Mapでチェック!
※1~4の沖ノ島、小屋島、御門柱、天狗岩には行けません
宗像大社(7.辺津宮)は、福岡県にある交通安全の御守りでおなじみの神社です。
5.沖津宮遥拝所 6.中津宮
今回、まずは神湊(こうのみなと)港からフェリーか旅客船しおかぜ(片道560円)に乗って行ける「大島」へ向かいました。
世界遺産マン事務所は福岡にあり、宗像まで車で約30分。今回は車旅です。
大島には、5.沖津宮遥拝所と6.中津宮があり、宗像大社(辺津宮)と沖ノ島を結ぶ地点にある島です。
船は約2時間に1本なので、時刻表を事前に調べておいたほうがいいです。
今回は往復どちらも旅客船しおかぜだったので、片道約15分で大島に着きました。(フェリーだと25分かかるようです)
七夕伝説発祥の地と言われ、織姫星と彦星を祀る神社があります。
中津宮には、フェリー乗り場から歩いて数分で着きます。
大島に上陸したら、観光マップを手に入れておきましょう。ここから、2kmちょっと歩くと、沖津宮遥拝所へ到着です。
レンタル自転車、レンタカー、タクシーなどでも行けますが、世界遺産マンは歩いていきます。
沖津宮は、沖ノ島にあり、神職以外は立ち入りできないので、ここから遥拝するのです。
普段は閉まっていますが、春季大祭の日には扉が開けられます。
詳しくは宗像大社のサイトで
沖津宮遥拝所からの眺め…水平線の向こうに沖ノ島が見えるような…見えないような…
天気も快晴で、海がとてもきれいでした。ただ、真夏の8月なので、かなり暑かったです。熱中症には要注意せんといかんとです。
そして、遥拝の後、ついでに山に登りました。標高224mの御嶽山(みたけやま)という山です。しかし、展望台は工事中でした…
大島は約3時間の滞在でした。周囲約15km、人口約700人の福岡県で一番大きな島です。
大島には馬牧場があり、乗馬もできるようです。
そして大島から神湊へ戻った後、宗像大社へ。神湊港から車で約5分です。
7.宗像大社
宗像大社は、日本神話に登場する日本最古の神社の一つです。あの天照大神(あまてらすおおみかみ)と関係が深いのです。
宗像大社は、天照大神の三柱の御子神「宗像三女神」を祀っています。
宗像三女神とは、
・沖ノ島の沖津宮→ 田心姫神(たごりひめのかみ)
・大島の中津宮→湍津姫神(たぎつひめのかみ)
・宗像本土・田島の辺津宮→市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)
この三宮を総称して「宗像大社」と言います。宗像大社は、宗像本土・田島にある辺津宮を指す場合が多いでしょうが、沖ノ島の沖津宮、大島の中津宮、本土の辺津宮の三宮で「宗像大社」なのです。
さて、この宗像三女神…どこかで聞いたことがあります。
そう、同じ世界遺産「厳島神社」の祭神も宗像三女神なのです。
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ここに発掘された国宝8万点が眠っています。まさに海の正倉院!
入場は有料、16:30までなので、早目に行くべし。
メソポタミア(現イラク)のササングラスのガラス玉などもあり、貴重な歴史遺産の解明が続けられているようです…
さて、今後の日本の世界遺産へは車で向かうため、宗像大社(辺津宮)で交通安全の御守りを手に入れました。
交通安全のお守りといえば、宗像大社なのです!
そして2021年6月、祈願殿の完成がニュースになりました。
新・祈願殿は、宗像大社の社殿が成立する前の古代の神道信仰のあり方を再現することを意識して設計されたようです。
神主曰く、おそらく全国の神社でもこういう形での祈願殿は初めてではないかと。
宗像大社も時代と共に変化し続けているのです。これは再訪しなければ…
そして宗像大社から車で約10分、最後の地、新原・奴山古墳群へ…
田んぼのど真ん中にあります。
8.新原・奴山古墳群
これは…やる人いるのか…???
盛り上がった丘が古墳です。彼方には大島が見えます。
新原・奴山古墳群については、全く知りませんでした。
見に来ている人もほとんどいませんが、学術的価値はかなりあると思います。
そして日本には「古墳にコーフン協会」というのがあります。本当に実在します。
たまにテレビに出てくる「まりこふん」という方が代表です。なかなかの古墳マンでございます。
沖ノ島には通常行くことができませんが、いろいろ調べたら、行った芸能人がブログに載せてました。2018年の大河ドラマ「西郷どん」の主役のあの人です。いろんな時代劇にも引っ張りだこのいい漢です。
突然ですが!先日、とてもとても光栄な経験をさせていただきました。なんとなんと私… 沖ノ島に行ける機会をいただいたのです!…
そして、2017年8月12日放送のテレビ東京の「美の巨人たち」で、宗像大社が取り上げられました。いい予習になりました。
世界遺産の勉強を始めた2014年は、福岡に住んでいたのに、沖ノ島のことすらよく知りませんでした。知れば知るほど世界遺産にふさわしいストーリーです。
近年、沖ノ島は、ほとんど手つかずで、存在すらよく知られてなかったようです。
昭和になって、宗像大社(辺津宮)も荒廃しており、それを憂いて宗像大社を整備し、沖ノ島を発掘調査し、国内最多の国宝8万点を見つけ出すという偉業を成し遂げた人物がいます。
海賊とよばれた男、「出光佐三」です。
この方は、本当にすごい人です。詳しくは、映画「海賊とよばれた男」を見ればわかります。…多分わかるはず。
この映画の主演は、岡田准一。だいぶごつい出光佐三ですが、映画なので無問題。綾瀬はるかも出ております。
沖ノ島に行ってきましたのブログの人も出ています。鈴木亮平は、世界遺産検定1級保持者で、英語もペラペラなので、世界遺産マンの新たなライバルに認定です。
赤間にある出光佐三の生家に行ってみました。(世界遺産とは関係ありません)
宗像大社駐車場の真ん前にも出光が!…今はもうないらしいが。
世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の公式ホームページ。世界遺産の価値や魅力、イベント情報などを掲載。各構成資産…
宗像国際環境会議
2014年、近年の急激な海の変化への提言や情報を国内外に発信するために、宗像国際環境会議が設立されました。
玄界灘の海水温度の上昇により沿岸部に広がる磯焼け、漂着ゴミ(マイクロプラスチック)の問題など、世界的な課題にも繋がるSDGsと直結しています。
そのキーワードは「常若(とこわか)」
「常若」とは、読んで字の如く、常に若いだが、永遠の若さではなく、自然界では物質は絶えず循環し、生まれ変わりつづけることで維持されていることから、循環する時間の象徴とも言えます。
単なる Sustainable(持続可能)の意味に加えて、自然の一部としての営みを忘れて自然を消費する社会を変え、人間本位の利便性の追求によって破壊した自然の再生にも取り組んでいます。
世界遺産というのは、単なる観光地ではないのです。
迷わず行けよ、行けばわかるさ、世界遺産