イタリアの首都ローマのすぐ西にあるのが「バチカン市国」。
ローマ法王を国家元首とする世界最小の独立国であり、カトリック教会の中枢です。さらにここは…
国全体が世界遺産登録されている唯一の場所です。
ヴァティカン、バチカン、バティカンなど、いろいろな呼ばれ方をしていますが、「バチカン」で統一します。
イタリア内にある独立国と言っても、入国にパスポートは不要です。入国審査もありません。
世界遺産、全部行ったら海賊王!
バチカン市国(Vatican City)
1984年登録
2019年11月23~26日、ローマ法王フランシスコが日本を訪問。1981年のヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶりの訪日です。
ローマ法王の謁見は、毎週水曜日の朝に行われていますが、滞在時はすでに予約がいっぱいで、できませんでした。
2018年12月19〜30日
「バチカン」の語源は、「バティシニア(預言)」と言われています。
カトリック教会では、イエス・キリストの12使徒のリーダー格であったペトロを「初代ローマ教皇」としています。
イエスからペトロに与えられた「天国の鍵」を、ローマ教皇が継承したとみなすからです。そしてこのバチカンは、そのペトロの殉教の地…
国全体が世界遺産なので、見どころは全てですが、その中でも行くべき箇所を絞りました。
1.バチカン博物館(バチカン宮殿内)
2.システィーナ礼拝堂(バチカン博物館内)
3.サン・ピエトロ広場
四大バシリカ
4.サン・ピエトロ大聖堂
5.サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
6.サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂
7.サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂(城壁外)
今回も「地球の歩き方」に大変お世話になりました。情報量が多いのにコンパクトにまとめられています。
1.バチカン博物館(Musei Vaticani)
歴代法王による世界有数の博物館。迷路のような見学コースの全長は約7km!
総面積42000㎡。ゆっくり見れば、丸一日かかります。入館料は€17。※2018年の話です
中にはカフェやレストランもあるので、時間があれば一日かけて見てみましょう。
かなり複雑なので、「地球の歩き方」に掲載のコースを参照。
早朝から行列でしたが、すでにJapanでネット予約をしていたので、並ばずに入場。
9時オープンなのに、8時半前に行っても入れました。
※ネット予約した上での早朝来場が、絶対におすすめです!
しかし入口はこんな感じで、どちらかと言うと全然目立ちません。
入口よりも出口の方がよっぽどかっこいい…
中に入ったら、予約メールに付いているQRコードをスマホに表示し、上の機械にかざしてチケットを出します。時代はITなのです。
チケットを受付で渡してようやく入場です。そのうち受付がロボットになるでしょう。
入口を入ってすぐに、なぜか琴を弾いている日本女性の写真が…?まわりの展示物とも関連がなく、全く意味がわかりません。誰か謎を解いて下さい。
エジプト美術館
バチカン美術館内に、いくつかの美術館があります。まずはエジプト美術館。1839年、グレゴリウス15世が創設。
定番のエジプト発掘品の数々。ロンドンの大英博物館と比べたらかなり小規模ですが、バラエティに富んでいます。
猫好きが大喜びしそうな猫だらけの展示。全員が同じポーズです。
キアラモンティ美術館 アテネ女神頭部像
ピオ・クレメンティーノ美術館内 ベルヴェデーレの中庭
ピオ・クレメンティーノ美術館内 ベルヴェデーレの中庭 「ベルヴェデーレのアポロ」
ピオ・クレメンティーノ美術館
バチカン所蔵のギリシャ・ローマ時代の作品の中でも傑作を集めた美術館です。
「ピーニャの中庭」を上からのぞいています。
松ぼっくりの両側にある2羽の青銅のクジャクはコピーです。
オリジナルは2世紀の作品で、「新回廊(ブラッチョ・ヌオーヴォ)」に展示されています。
ピーニャの中庭にある、「アルナルド・ポモドーロ」作の直径4mの現代オブジェ。鳥がグッジョブ!
この新回廊(Braccio Nuovo)は、10:30にオープン。1822年開館し、「ブラッチョ・ヌオーヴォ」と呼ばれています。
ここには、オリジナルのギリシア彫刻を、ローマ時代に「模刻」した作品をコレクションしています。トリビュート作品ですな。
1863年にアウグストゥス帝の妃リヴィアのヴィッラからから発見。この「イチバーン!」のポーズは古代からあったようです。
ハドリアヌス帝霊廟(サンタンジェロ城)より出土したと思われる金張りのブロンズ孔雀像。
Pinacoteca(ピナコテーカ 絵画館)
第8室、ラファエロ作品、左から「フォリーニョの聖母」「キリストの変容」「聖母戴冠」。
手前の手すりの高さは1メートルくらいあるので、写真ではわかりにくいですが、かなり大きな絵です。
Pinacoteca(ピナコテーカ 絵画館)
第9室、レオナルド・ダ・ヴィンチ未完の作品「聖ヒエロニムス」
ラファエロの間(Stanze di Raffaello)
第3室、署名の間の作品「聖体の論議(Disputa del Santissimo Sacrament)」
総滞在時間は約8時間。複雑な作りなので、かなり迷います。最後は外に出るつもりがないのに出てしまい、戻れませんでした。…出口に注意!
というわけで、「バチカン図書館」を見れず…
2.システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)
そしてついにやって来ました、噂の「システィーナ礼拝堂」。
バチカン美術館の最高傑作で、法王選挙(コンクラーベ)の開催場所であります。「法王の根競べ」とは…いとをかし。
この礼拝堂の天井にある「ミケランジェロの天井画(Affreschi de Michelangelo)」は、ルネサンス芸術の最高傑作と言われているようですが…
写真撮影は不可!
しかし、係員が撮るなと言っても撮るアホは多数いました。こういうルールを守らない奴等=アホは、世界中にいます。
というわけで、写真はありません…と言いたいところだが、現地で買った本に載っている写真を載せておきます。
写真の版権はこの本の製作者にあるので、ボカシをかけております。ぜひ本物を見に行って下さい。
世界遺産マンもアーティストなので、著作権、版権、肖像権、特許、権利侵害などにはうるさいのです。
この天井画は、総面積800平方メートルのフレスコ画で、数あるミケランジェロの作品の中でも最高傑作、さらには最重要文化遺産として守られております。
1512年に完成しているので、実に500年以上前の作品です。
もはや人種とか宗教とか関係なく、壮大な人類の遺産として多くの人(アホ以外)に見てもらいましょう。
3.サン・ピエトロ広場(Piazza San Pietro)
バロックの巨匠ベルニーニ作で、30万人を収容できる壮大な広場。今回何度も訪れました。
中心に立つオベリスクは、1世紀にエジプトから運ばれたもの。
大聖堂に近い台形の部分は、ミケランジェロ設計のカンピドーリオを手本にしています。
ローマの街は石畳が多いので、歩くときはハイヒールや、タイヤの弱いキャリーバッグは、壊れる可能性があります。要注意!
…予想通りとはいえ、ものすごい数の人…もちろん警備も厳重です。
今回のローマ旅のテーマの一つ
「クリスマスの日にカトリックの総本山バチカンに行く!」
は、見事に達成できました。
そして「四大バシリカ」へ
世界最小で、国全体が世界遺産という世界唯一の場所が「バチカン市国」です。 バチカン市国内の「サン・ピエトロ大聖堂」と、そ…
迷わず行けよ、行けばわかるさ、世界遺産