首都マニラのあるフィリピン最大の島ルソン島。マニラから高速バスで約9時間。
コルディリェーラ山脈一帯に広がるのが、2000年以上の歴史を持つ絶景の世界遺産「フィリピンのコルディリェーラの棚田群」です。
日本にも棚田は数多くありますが、ここの棚田群は、世界最古とも言われています。
※世界最古は、コルディリェーラの棚田群(フィリピン)
※世界最大は、紅河ハニ棚田(中国)
天国への階段ともいわれる世界屈指の棚田=ライステラスの文化的景観は、最大傾斜角70°!
あぜ道の総延長は2万kmというフィリピンが誇る世界遺産は、イフガオ族という少数民族によって守られてきました。
世界遺産、全部行ったら海賊王!
コルディリェーラの棚田群
(Rice Terraces of the Philippine Cordilleras)
1995年登録
2018年4月15~17日
セブ島三ヶ月留学を無事卒業し、フィリピン3箇所目の世界遺産、ライステラスに向かいました。
二泊三日で行けるだけ行きます。
セブ島から飛行機で約1時間、ルソン島のマニラへ行き、まずはマニラにある世界遺産の教会へ(4つの教会群の2つ目)
16世紀、フィリピンがスペインの統治下にあった時代に建てられた4つの教会。 4つの教会ともヨーロッパの「バロック建築」の…
教会の後は、長距離バスのターミナルへ。
そこから夜行バスで約9時間行くと、コルディリェーラ地方の中心都市「バナウェ」に着きます。
しかし、そこに行くまでにだいぶ苦戦しました。マニラ名物「ぼったくりタクシー」です。
空港から教会のある「イントラムロス」まで15Kmほどタクシーに乗って200ペソ(約420円)でした。
空港からのタクシーは監視が厳しいので、正常料金です。
しかし、そこから4kmしかない長距離バス乗り場まで、流しのタクシーだと400ペソ要求します。
2人と交渉決裂し、彷徨うこと1時間、結局道に迷いだしたので、なんとか3人目を捕まえ、しぶしぶ250ペソで行ってもらいました。まあ日本円にしたら300円くらいしか変わらないわけだが…
セブ島と違い、マニラは全員メーターをつけずにボッタくるのか?と運ちゃんに聞いてみると、笑ってごまかしていました。
日本びいきのおっさんで、「オーサカ!」とか「フジサン!」とか「トヨタ!」…等いろいろ片言でテキトーに話してました。
…まだ配車アプリなどが一般的ではない2018年の時代の話でした。
棚田への玄関口バナウェ
さて、ネットで予約していた「OHAYAMI バス」に乗り、約9時間のバス旅です。
マニラは34℃あったので、バスに乗ってすぐは暑いままでした。
これが1時間も経つと、いろんな人がブログに書いていた通り、クーラー効きすぎの極寒バスへ。
※長袖の上着は必須アイテム!
翌朝7時、予定通りバナウェに到着。
各ホテルの出迎えがたくさん待っていて、まるで空港のようにピックアップしてくれました。これはちょっと嬉しい。
若い体格のいいガイドAlvin(アルヴィン)が、自分のホテルのガイドでした。
このバナウェ地区は、フィリピンの他の場所に比べると観光のシステムも比較的しっかりしているようです。
「バナウェ」というのは、群の名前であり、町(村?)の名前です。
標高は約1500m、人口は2万人程。
「コルディリェーラ」というのは、コルディリェーラ山脈、コルディリェーラ地方のことです。
そこにある棚田群が世界遺産です。つまり相当範囲が広い。
・バナウェ群バンガアン、バタッド
・フンドアン群
・キアンガン群
・マヨヤオ群
この5地区が世界遺産になっています。
一時は危機遺産にもなっていましたが、フィリピン政府が国を挙げて保護に取り組んでおり、日本も協力しております。
1日目
キアンガン
朝の7時に着いたので、時間はだいぶありました。まずはホテルへチェックイン。
それからどこへ行くかは迷いましたが、「キアンガン(Kiangan)」へ向かいました。
マニラで現金を下ろすのを忘れていて、バナウェで下ろそうとしましたが、Mastescardが使えず、手持ちのVISAはクレジットカードのみなので使えず困りました。
ガイドがトライシクルで1時間の町「ラガウェ」まで行ってくれ、そこでお金を下ろせたので、そのまま一番近くの「キアンガン」へ行ったというわけです。
トライシクルとは、サイドカー付きのバイクのことで、フィリピンでは定番の足です。
バイクは世界のHONDA製でした。
ここは、第二次世界大戦で「山下泰文」大将が降伏した地です。
「キアンガン戦争記念塔」が建てられています。
日本人と大きく関りがある場所なので、その歴史などをよく勉強するといいと思います。
昼過ぎには戻り、ガイドと3日間のトライシクル送迎と観光ガイドの交渉をし就寝。
前日のバスでほとんど寝れなかったので、ひたすら睡眠をむさぼる…
2日目
バナウェ郡
8時に約束していたガイドのAlvinが7時半にはもう来ていました。やる気満々です。
前日は夕方から大雨で心配しましたが、朝は2日連続の快晴。
絶景が続きますが、まだまだ序の口です。
この日のメイン「バタッド(Batad)」には10時に到着。
別のガイドと共にトレッキングです。
とにかくここの景色は、絶景に次ぐ絶景!
一番上まで行き、ライステラスを見下ろします。その後は一気に下り、「タッピヤ滝」へ。
ここはもの凄く高い所ですが、とんでもないものを発見!
メイドインジャパンのあの家電が!…どうやって運んだんだ???
泳いだ後は再び登りです。ここからが一番きつかったので、滝で疲れるまで泳ぐのはNGです。その後伝統家屋を見物して、元来た場所へ。
バタッドでの道中、付き添いのガイドが、てっぺんと滝に行くなら時間がかかるから500ペソ必要だ、と何度も言ってきました。
Alvinが事前に金は払わなくていいと言っていたので、どうしようか考えました。
結構大変な道のりを何時間も案内してくれたので、最後にAlvinと合流した時に、そのガイドに500ペソ渡しました。
Alvinが驚いた顔をしていたので、やはりそのガイドが勝手にせびっていたのはすぐにわかりました。
フィリピンあるあるです。
その後、Alvinになぜ払ったのか聞かれたので、説明。
Alvinは真面目に仕事をするGood Guyでした。彼に確認をせずにチップをあげたのはこちらのミスでした。
彼も機嫌をなおしてくれたので、明日の最終日のガイドをお願いしました。
午前中だけで、ビルに換算すると約160階の高さを登り降りしたトレッキングでした。
足に不安がある人や、太り過ぎの人にはおすすめできません。
棚田全体の最大高低差は、なんと約1000m!!
3日目
フンドアン
ガイドのAlvinが約束の8時半ぎりぎりに来たものの、体調不良のため弟分のTobby(トビー)に選手交代。
バイク捌きもまだ危なっかしいので年を聞いたら、なんとまだ16歳…。
しかし問題なく任務は完遂。
最初に伝統家屋の見学です。
現地の人が、中に「アンティーク」があると言うので見に行くと、日本人墓地○○と書かれた銅鐸が!
そして旧日本軍の機関銃が置いてありました。
戦争と切り離せない場所なので、現地の人も日本人にもっと来て欲しいと話していました。
そしてHungduan(フンドアン)へ
フンドアンでは、専属のガイドが案内するので、トビーと交代。
女性ガイドのジェニー( Jenny )がいろいろと説明をしながら案内してくれました。
雨は降りそうで降りません。
そして「アヒン天然温泉」へ向かいます。世界遺産とは関係ないですが、人気のスポットです。
歩いて45分くらいでした。
Don’t worry ! I’m wearing…
のネタでとにかく明るい安村が世界でブレイクするのは2023年。
世界デビューは世界遺産マンの方が5年も早かった。
安心して下さい!はいてますよ、水着を👍
最後は、「バナウェ・ビューポイント」へ
ジェニーがいろいろと説明してくれましたが、写真が多すぎて、名前と正確に一致していないかもしれません。
また次回聞きに行くとしよう。Jennyの英語は英会話学校の先生なみにうまかったです。
事件は現場で起きているんだ!
予定通り棚田を見終わり、トビーと合流。その後、宿に戻る道中、どうも様子がおかしい…
警察や軍隊の車両があちこちにありました。朝はほとんどいなかったのに。
何かの事件が現場で起きてるのか!?!?!?
そしてなぜか、ガイドのトビーが警察に連行…???
あいつは16歳だから、まさか無免許運転か?これは時間通りに宿に帰れるのか?
…いろいろ考えていましたが、10分程で戻ってきました。
聞くと、サンダルでバイクを運転していたので、靴を履くように注意されたようです。
なんだ、その程度でよかったぜ…
そして無事に宿へ。トビーも一日頑張ってくれました。
世界遺産に認定されている五つの場所のうち「マヨヤオ」以外は全部制覇!
「マヨヤオ」はバナウェ中心部から40km離れているので、なかなか大変です。
世界遺産コルディリェーラの棚田郡、全部行くなら3泊4日以上!
そして次の目的地「バギオ」に行くバスに乗る前、Alvinが言いました。
「また来てくれ、次に来るときはマヨヤオに行こう」と。
彼には本当にお世話になったので、AlvinとTobby、Jenny、3人分のチップを渡しました。
しかし、アルヴィンは30~35歳くらいかと思ったら、23歳でした…
日本人観光客はほとんどいない
ここに来ている観光客の多くは、フランス人とイスラエル人が最多。
この2か国で50%以上を占めています。理由はわかりません。
日本人観光客はかなり少なく、1~2%くらいしかいないようです。
現に3日間の滞在中、日本人には1人も会っていません。
山奥の村ですが、Wi-Fi(あまり強くはないです)もつながります。
宿泊費も安く、何より素晴らしい自然と2000年以上に渡ってイフガオ族が築き上げてきた偉大な棚田がここにはあります。
あまり多すぎてもよくないですが、適度な観光客が来ることは、住民の生活を潤し、それが伝統文化を守ることにも繋がっていくと思います。
というわけで、ここまで読んだ人はぜひ行ってみて下さい。
この後はバギオを経由して、世界遺産の街ビガンへ。
ビガンは、マニラから約400km北にある町です。1574年にスペイン統治下で建設され、商業や貿易の拠点として栄えました。…
迷わず行けよ、行けばわかるさ、世界遺産