世界遺産 全部行ったら 海賊王!

世界遺産36 「ティヴォリのエステ家別荘」 イタリアで1番美しい噴水庭園 噴水王の別荘

永遠の都ローマ中心部から約30km、電車で1時間の所にある静かな町ティボリ。

16世紀半ば、枢機卿イッポリート・デステが、ベネディクト会の修道院だった建物を建築家ピッロ・リゴーリオに改装させました。

この広大な庭園を持つ邸宅が、ティヴォリ(チボリ)のエステ家別荘です。

世界遺産、全部行ったら海賊王!

ティボリのエステ家別荘(Villa d’Este,Tivoli)
2001年登録

2018年12月23日

まず、テルミニ駅からメトロBで、ティブルティナ駅へ行き、そこからティボリ駅へ。

かなりでかいティブルティナ駅を彷徨い、なんとか間違わずにティボリへ。

テルミニ駅からティヴォリ駅まで1時間くらいなので、すぐ着きます。

ティボリは、古代ローマ時代から2000年以上続く避暑地です。

丘の町を流れるアニエーネ川、そして落差約120メートルのグレゴリーアーナの大滝。

滝の下にはアニエーネ渓谷が広がります。

エステ家別荘は、ティボリ駅から歩いて10分くらいですが、この日は雨のため翌日に延期。

早朝からハドリアヌスの別荘の方に歩いて行き、戻ってからエステ家別荘へ。

もう一つの世界遺産、ハドリアヌスの別荘=ヴィッラ・アドリアーナまでは、歩いて往復1時間半くらいです。

エステ家別荘のお手本は、実はハドリアヌス別荘らしいです。というわけで両方行きましょう。

世界遺産マン道【 The Way of the World Heritage Man 】

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バスもありますが、わかりにくいし、本数も少ないので帰りも歩いて戻りました。

帰りは登り坂で、気温も冬なのに15℃以上あったので、汗だくになり最後はTシャツ1枚でした。

そして着いたエステ家別荘。

ティボリ エステ家別荘
入口はだいぶ小さめだが、ヴィッラ・デステの表札が!

入口で出口。入場料は10€。

ティボリ エステ家別荘外の変なオブジェ
外の広場には変なオブジェが!作者不明
イタリアの世界遺産エステ家別荘
世界遺産の証
ティボリ エステ家別荘内部
邸宅内にも噴水が!どんだけ噴水好きなのか…

ここのメインは、別荘よりも庭園と噴水です。間違いない!

イタリア式庭園の傑作と言われ、500以上の噴水があります。

ティボリ エステ家別荘内部のフレスコ画
室内の彩りはフレスコ画
ティボリ エステ家別荘内部
日当たりも良好

16世紀のローマ派の画家たちによるフレスコ画。部屋数も多く、さすがは貴族の別荘。

カップル(多分イタリア人)に写真撮影を頼まれたので、快く撮影。この2人とは何度もすれ違いました。

ティボリ エステ家別荘は大邸宅
庭園側からのエステ家別荘。大邸宅です。
ティボリ エステ家別荘 楕円の噴水
楕円の噴水

楕円の噴水…別名ヴィーナスの噴水、またはティボリの噴水。1番高いところにあります。

ティボリ エステ家別荘 百の噴水
百の噴水

百の噴水…3段の噴水が130メートル続く噴水ストリート。

エステ家の紋章の鷲の像もいくつかあります。

ティボリ エステ家別荘 口から噴水
趣味がいいのか悪いのかは、見る人次第です…
ティボリ エステ家別荘 乳首から噴水
以下同文…
ティボリ エステ家別荘の建築様式
すばらしい

計算された作りです。昔の建築技術というのは、本当にすごいと思います。

ティボリ エステ家別荘 ロメッタの噴水
ロメッタの噴水

ロメッタの噴水…古代ローマの町並みを再現した噴水。

ロメッタとは小さなローマのこと。石の船とテヴェレ川を表現。

ティボリ エステ家別荘 ドラゴンの噴水
ドラゴンの噴水

ここはタイガーマスクで撮影し、龍虎の競演。もう少し迫力があれば…

迫力がなかった理由は「ドラゴン危機一発」!!

これまでに大量の水を吹き出し続けたせいで、噴水の本体が損傷し始めていたのです。

そのため、水の量を抑えているから迫力がないし、苔で覆われてしまっています。

その謎が明らかになったのは、2022年8月14日に放送されたTBSの世界遺産

エステ家別荘の階段
階段だらけです

雨の日の翌日だったので、石畳や石の階段はスリップ注意。

エステ家別荘のペスキエーレ(養魚場)
ペスキエーレ(養魚場)

ペスキエーレ(養魚場)…ここをまっすぐ進むと、エステ家別荘の噴水のメインでもある大噴水へ。

ネットゥーノの噴水
ネットゥーノの噴水

ネットゥーノ(ネプチューン)の噴水… この庭園内では、間違いなくここが一番の場所でしょう。

ナポリ近くの世界遺産カゼルタの王宮の噴水のモデルのようです

ここでまたさっきから何度もすれ違ったカップルと再会。そして男の方がもう一度撮影をお願いしに来ました。

なんと今度は、噴水の前でプロポーズするから、ビデオを撮ってくれとのお願いでした!なんてこったい!

2人の若いカップルの人生の最高の瞬間の撮影を、世界遺産マンが託されたのであります。

もちろんいい仕事しました。タイミングよく誰もいなかったので、男が跪いて指輪を渡すシーンを撮影。実際にやるのだな。

こちらも一生忘れない思い出となりました。お幸せに!

ネットゥーノの噴水 でプロポーズ
婚約おめでとう!
ネットゥーノの噴水と世界遺産マン
いい仕事しました!
オルガンの噴水
オルガンの噴水

ネットゥーノの上にあるのがオルガンの噴水。

水を動力源にして内部に組み込まれた自動演奏の機械を奏でるという当時の最先端技術。

そしてオルガンの噴水の水が、22メートル下のネプチューンの噴水に流れて、その落下の勢いで水柱を上げる。

この高低差を利用した水の噴水は、当時流行したルネサンス庭園の特徴です。

古代ギリシャやローマへの憧れが生んだルネサンス…庭園には、古代神話などのモチーフが溢れています。

プロポーズ撮影中にちょうど鳴ってましたが、噴水の音でかすかにしか聞こえず…

上に上がった時には終わってしまったので、間近では聴けませんでした。2時間おきの演奏なので、待てません。

メタの噴水
メタの噴水

メタの噴水… コロッセオの横には、闘いを終えた剣闘士が体を洗った「メタ・スダンテ」と言う噴水があったようです。それを模した噴水です。

アルテミス、母なる神の噴水
アルテミス、母なる神の噴水

イッポーリト2世・デステは、ローマ教皇を選ぶ選挙、「コンクラーベ」に3度敗北。

その後、残りの人生と財産を全てかけてこの庭園を作ったそうです。

約1時間半で全部周りました。ハドリアヌスの別荘に比べると小さいとは言え、階段がかなりあります。

ティヴォリの2つの世界遺産は、1日あれば2つとも行けます。

歩いた距離は全部で18kmでした。まあまあだな。

そしてティヴォリを後にして、ローマのテルミニ駅へ帰還。

ティヴォリは、古いイタリアの町並みで、あまり英語も通じず、迷路のような町で、最初は戸惑いましたが、観光客が多すぎるローマと違って落ち着いたいい町でした。

ローマに比べるとだいぶきれいでした。石畳などは同じなので、靴やキャリーバッグの選択には気を付けましょう。

帰りはテルミニ駅まで直通で35分!ローマからすぐに行ける2つの世界遺産です。これでイタリアの4件を制覇!

迷わず行けよ、行けばわかるさ、世界遺産